「最悪の事態。この場所で食い止めたい」金武町や県、対応に奔走 高病原性鳥インフル確認


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防護服を着て防疫ステーションから養鶏場に向かう県職員ら=16日午後2時47分、金武町立武道館

 高病原性鳥インフルエンザの感染確認を受け、沖縄県は対応に追われた。玉城デニー知事は藤木真也農林水産大臣政務官とウェブ会議を開き、防疫措置に向けた財政支援や、発生原因の早期究明などについて支援を要請。本省との連絡を担う職員(リエゾン)の派遣に感謝し、一刻も早い事態収拾に努めるとした。

 藤木政務官は「(発生農場周辺に)鶏の農場は少ないが、(うるま市)石川などの方に飛び火すれば、相当大きな被害につながりかねない」との認識を示した。

 県議会経済労働委員会では、県農林水産部の担当者が県議に状況を説明した。県によると、搬出制限区域内の養鶏農家について異常はないと報告を受けたという。

 金武町は同日、特定家畜伝染病防疫現地対策本部を発足した。

 作業拠点の町立武道館を訪れた仲間一町長は「15日に鶏が死んだとの報告を受け、陽性でないことを願ったが最悪の事態になった」とショックをにじませた。

 感染経路について「周辺は水田が広がる渡り鳥の生息地だ。渡り鳥以外考えられない。この場所で食い止め、町外に拡大させないよう県と協力し対策する」と話した。

(池田哲平、岩切美穂)