平和の道、沖縄戦に学ぶ 韓国の学生らが戦跡訪問


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
戦没者の冥福を祈り黙とうする青い森ヴァルドルフ学校の生徒たち=15日、糸満市の韓国人慰霊の塔

 韓国のシュタイナー学校・青い森ヴァルドルフ学校が13日から4泊5日の日程で沖縄旅行を実施した。中学2年生に当たる8年生22人がガマや朝鮮出身者に関係する戦跡などを訪問し、77年前の沖縄戦と故郷である韓国の歴史について考えた。

 15日は糸満市の平和祈念公園に建つ韓国人慰霊の塔や朝鮮出身戦没者を刻銘する平和の礎を訪れた。慰霊の塔では生徒たちが輪になり東西南北に向かって黙とうしたり、国歌や歌謡曲を歌ったりして戦没者を追悼した。

 ジャン・リナさん(15)は「過去にこの場所に私たちのご先祖さまがいたことを身近に感じることができた。心安らかに眠ってほしいと祈った」と話した。

 キム・ムンギョンさん(15)は「歴史を深く知ることができた。軍事的な社会は人間を人間として見ず、国のための道具として見ている。私たちが戦争を止めるために考えていかねばならないと思う」と語った。

 担任のパク・ジョンラン教諭は「歴史の現場を直接見て、多様な考えを深めるために沖縄に来た。子どもたちはつらい過去と向き合いながらも沖縄に来て良かったと心から実感している」と話した。
 (赤嶺玲子)