prime

NBAに憧れ渡米、帰国後はつくばロボッツでプレー…経験生かし育成に熱 バスケットスクールコーチ・翁長明弘さん<県人ネットワーク>


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
翁長 明弘さん

 埼玉県を拠点にした小中学生対象のバスケットボールスクール「スポーツインターセクション」でコーチを務める。

 7月には指導する中学女子チームが、関東のクラブチームが参加するDリーグ1部リーグ戦で優勝。続くプレーオフ戦も制覇し、リーグ完全優勝を達成した。さらに8月に行われた「月刊バスケットボールカップ」でも頂点に立ち「バスケがうまくなりたいと、指導についてきてくれた子どもたちの頑張りの成果」と目を細める。

 チームには、地元・埼玉を中心にさまざまな学校からバスケ好きの子どもたちが集まる。コートでの練習は週3回、2時間ほど。「限られた時間の中でどれだけバスケを理解させチームワークを築いていくか」と心を砕く。練習では厳しくも楽しい雰囲気づくりに気を配り「選手には時々、いじられてますが」とおどける。

 小学生時代からバスケを始め、中学、高校を経て、NBAに憧れて渡米した。進学したサンタ・アナ・カレッジで本場の経験を積んだ。NBA入りの夢は果たせなかったものの、帰国後は兵庫ストークスやつくばロボッツ(現茨城ロボッツ)などで約5年間プレー。2016年に現役を引退し、指導者の道へ進み「バスケ好きの子どもを増やしたい」と18年にバスケスクールを開校。20年にはU15クラブチームを設立した。

 設立時、中学1年生だった選手たちは中学3年生になり、数々の大会で上位の成績を収めるなど、教え子たちの成長を実感している。11月には念願のU15選手権大会埼玉県予選で優勝。来年1月に東京都で行われる全国大会「Jr.ウインターカップ」への出場を決め、「目標をかなえた選手たちと喜びを分かち合えてうれしかった」と笑みを浮かべる。アメリカでのバスケ経験から学び得たことを、指導者として、コートの中でどう表現し、選手たちをどう導くか。全国大会に向けて、選手たちとともに挑戦は続く。「悔いのないパフォーマンスが発揮できるよう選手たちを見守るのが僕の役目。自信を持って試合に臨めるようサポートしていきたい」。

 帰省した時は、毎回、バスケクリニックを開き、沖縄の子どもたちと触れ合うなど、故郷・沖縄への思いも強い。チームの中には沖縄の学校への入学を考えている選手もいて、チームの合宿を沖縄で実施する話も出ているという。「僕の地元沖縄を紹介し、沖縄とのつながりをより深めていきたい」と声を弾ませた。
 (和田清首都圏通信員)


おなが・あきひろ 1987年9月28日生まれ、那覇市出身。小学生時代にバスケを始め、小禄中、那覇高を経て渡米した。