北谷浄水場でPFAS低減 取水停止・抑制で効果 沖縄県企業局 


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 人体に有害とされる有機フッ素化合物(PFAS)が米軍基地周辺の河川などから高い値で検出されている問題で、沖縄県企業局は27日、北谷浄水場の取水源の一つ、比謝、長田、天願の3河川と嘉手納井戸群からの取水を停止・抑制した結果、浄水からPFASが低減していると明らかにした。

 浄水から検出されたPFOSとPFOAの合計が2021年度11~1月は平均で1リットル当たり21ナノグラムだったが、22年度11月は平均3ナノグラムまで低減できているという。

 北谷浄水場は、東系列導水路トンネル改築工事が実施される11~1月については北部の国管理ダムからの送水量が減るため、中部河川・井戸群から取水していた。

 22年度はPFASを低減するために河川・井戸群からの取水を停止・抑制し、国管理の漢那、金武の両ダムからの取水量、海水淡水化センターの生産量を増やして補っている。

 県企業局配水管理課は取水停止・抑制で「PFASの値が21年度と比べて大きく低減され、導水路トンネル改築工事前の値と同じ程度になっている」と説明。県管理の倉敷ダム、局管理の山城ダムの貯水率を見つつ取水停止・抑制を継続していくとした。

 併せて、12月16日までに北谷浄水場の粒状活性炭吸着池のうち、4分の3をPFASをより吸着できる高機能な活性炭に入れ換えたことを説明し「PFASをさらに低減できる効果が期待できる」とした。 (安里周悟)