辺野古に警視庁機動隊 今週にも百数十人、抗議激化で警備強化


この記事を書いた人 Avatar photo 瀬底 正志郎

 米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古での新基地建設をめぐり、米軍キャンプ・シュワブゲート前の抗議行動に対する県警の警備活動に警視庁の機動隊百数十人が投入されることが31日、警備関係者への取材で分かった。警備活動が長引く可能性があるとして、県警が県公安委員会を通して警視庁に派遣を要請した。派遣部隊は県警の指揮下に入り、4日をめどに現場に配置される見通し。辺野古警備に県外から100人を超える応援部隊の投入は初めて。

 県と国との対立が深まり、活発化する抗議活動へ警備を強化する狙いがあるとみられるが、座り込みの現場や識者からは、過剰警備との指摘や県外の警官と対峙(たいじ)することへの懸念も上がっている。
 ゲート前では昨年7月から、移設に反対する市民らが24時間態勢で抗議を続けている。県警も基地内に機動隊を配置し、警備を担当する警備部以外の刑事部や交通部などからも横断的に人員を派遣してきた。市民らの座り込みを県警が排除する中、けが人や逮捕者が相次いでいる。
 沖縄防衛局は10月29日から本体工事に着手し、連日100人以上の市民がゲート前で座り込み抗議を続けている。座り込む市民と排除する県警とのもみ合いも激しくなっており、31日も男女2人がけがを負った。
 9月には、民族団体を名乗る男女約20人がゲート前の市民のテントを襲撃したことを受け、県警の加藤達也本部長は県議会9月定例会で「今後、警備現場での状況変化により、速やかに対応できる応援態勢を検討する」と答弁していた。
 海上保安庁は昨年から海上警備に全国から巡視船を派遣し、臨時制限区域を示すとされる浮具(フロート)付近で小型船やカヌーを強制的に排除している。