ホテルで産後ケア 名護 宿泊者向け 助産師指導 BAOとフルーツランド 4月から


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建設中の産後ケアの新施設を紹介する沖縄フルーツランドの安里博樹社長(左)と助産院「BAO」の宮城とも美代表=2022年12月30日、名護市為又

 【名護】名護市で産後ケアと観光・宿泊業がタッグを組んだ新たな取り組みが始まっている。助産院「BAO(バオ)」(宮城とも美代表)と市為又で観光施設やホテルを運営する沖縄フルーツランド(安里博樹社長)は、ホテル宿泊者向けの産後ケアサービスを4月から実施する。宮城さんは「名護を『産後に安心して旅行ができる』と思ってもらえるような場所にしたい」と意気込んでいる。

 宮城さんは市内の医院で助産師として働き21年に独立した。名護市の産後ケア事業を受託し、住民向けに育児相談や授乳指導などを実施している。

 現在、フルーツランド内のテナントに新たな産後ケア施設の整備を進めている。フルーツランド内にホテルがあることから、宿泊者向けの「助産師サービス」を安里社長に提案した。

 48歳で3人の子の父親でもある安里社長は、自身も乳幼児を連れての外出や育児に苦労した経験があると言い、提案に賛同し、協力している。

 産後の悩みを1人で抱え、うつになるケースなどを見てきた宮城さん。「乳幼児の育児は想像以上に大変で母親が孤独になることが多い。少しでも気軽に話せる機会が外にあるだけでも救いになる」と産後ケアの必要性を強調する。ホテルでは、授乳や沐浴(もくよく)の指導、悩み事相談などのサービスを予定している。

 安里社長は「これまで乳幼児を連れた宿泊という視点が足りなかった。産後も気軽に旅行ができるような体制を構築し、名護が沖縄観光の拠点になるようにしたい」と語る。

 料金は検討中。サービスの詳細や問い合わせはコンドミニアムホテルナゴリゾートリエッタ中山、電話0980(51)1511。

 (長嶺晃太朗)