春高バレー、沖縄県勢は初戦敗退 男子・西原、リズムに乗れず 女子・首里は速攻不発、高さに屈す


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 バレーボールの第75回全日本高校選手権は4日、東京体育館で開幕し1回戦が行われた。沖縄代表は男子の西原が慶応(神奈川)、女子の首里は誠英(山口)とそれぞれ対戦し、いずれも0―2のストレートで敗退した。男子は全国高校総体4強の松本国際(長野)が昇陽(大阪)に2―1で勝ち、2回戦へ進んだ。大村工(長崎)は高川学園(山口)に2―0で勝った。清風(大阪)東北(宮城)も勝ち上がった。女子は東九州龍谷(大分)が2―1で東京都市大塩尻(長野)に勝利。共栄学園(東京)は2―0で盛岡誠桜(岩手)を退けた。初出場の城南学園(大阪)は敬愛学園(千葉)に2―1で勝った。男女各52校が参加。準々決勝までは3セット制、準決勝と決勝は5セット制で争われる。新型コロナウイルスの影響で、7、8日の準決勝と決勝だけ観客を入れて開催する。

西原、リズムに乗れず

 

慶応―西原 1回戦第2セット、スパイクを打ち込む西原の安仁屋光葉=4日、東京体育館(謝花史哲撮影)

 最後までリズムに乗れず西原は1回戦敗退で涙をのんだ。昨年10月の練習試合では勝てていた相手だっただけに「自分たちのバレーができていれば」(安仁屋光葉主将)と、こみ上げたのは悔しさだけだった。

 第1セットは一進一退の競り合いだった。要所で速攻を繰り出し、的を絞らせないコンビバレーが出だしからできた。しかし肝心なところでサーブミスを散発し波に乗れない。終盤にスパイクミス、ブロックを食らい連続失点。そのまま逃げ切りを許してしまった。

 3年にとって高校最後の大会で「負けたら引退」という大舞台で体が萎縮。第2セットは大きくリードされてからライトエースの源河朝陽が気を吐き、強打を決めきったが遅かった。先行されても巻き返す真骨頂の底力は鳴りを潜め、力を出し切れなかった。

 今の3年は入学前、中学選抜のメンバーで話し合って西原に集まった。伊江周二監督が「とても強くなった」と認める成長ぶりで、夢見たオレンジコートに立った。安仁屋は「頼りない部分もあったと思うけど、みんな最後まで付いてきてくれた」と感謝し「後輩たちは悔いを残さないようにしていほしい」とバトンを渡した。
 (謝花史哲)

首里、速攻不発 高さに屈す
 

首里―誠英 女子1回戦第2セット、得点を挙げて歓喜の声を上げる首里の大松未羽主将(右端)ら=4日、東京体育館(謝花史哲撮影)

 女子の首里は高さに屈し念願の1回戦突破は果たせなかった。全国の高さに対し、ツーセッターで常に前衛に3枚のアタッカーを配して高いブロックを崩す狙いだったが、レシーブが安定せず練習してきた速い攻撃は不発に終わった。それでも要所で粘り強さを発揮し、連続得点を奪うなど食い下がって見せた。

 「一本、一本」。高低差からどうしてもブロックの上から打たれてしまう場面に、3年の大松未羽主将が声を張った。「切り替えが大事。次どう得点を取るか」とチームを鼓舞し続けた。

 1年の照喜名ほしのと県予選からツーセッターを組んだ。主将としても戦略的にも重要な役割を担ったが「やりたいことができなかった」。コート上では気丈に振る舞ったが、試合を終え悔しさで目を赤くした。

 第2セット終盤にブロックやスパイクが連続で決まり反撃に出たが、点差は大きく力負け。相手エースをマークした2年の新垣結理は「満足いくプレーができなかった。成長していない。来年は絶対に雪辱したい」と決意。大松は「歴史を変える勝利を任せたい」と新チームを担う後輩たちに託した。
 (謝花史哲)