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コンクリートや琉球石灰岩といった建材を使用する沖縄の建築物の美観を保とうと、設計事務所が新規事業を立ち上げた。宮平設計(那覇市、宮平元嗣社長)はこのほど、カビや藻類、コケから建物を守る薬剤を開発し、子会社「GEM(ジェム)」を発足して販路拡大に取り組む。洗剤などで直接取り除くのではなく、壁などに吹きかけてカビなどが生育しにくい環境にすることで枯死させるユニークな発想。「作業が楽で長時間汚れを防ぐ。動物にも安全で、ぜひ試してほしい」とアピールしている。
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「カビモロック」と命名した商品は、コンクリートや石材、レンガといった表面に細かい穴が空いた多孔質素地に適した薬剤。吹き付けるとガラス質膜によって素地が硬質化して保護され、汚れの定着を防ぐ仕組みとなっている。
建物は、新築時はきれいでも時間の経過と共にカビやコケなどによる汚れが目立つようになる。それをどうにかできないかと宮平氏の父が考えたことが開発のきっかけとなった。愛知県の技術者と作り上げたカビモロックの前身となる薬剤は、1999年に完成した現在の那覇空港に用いられた琉球石灰岩にも使われたという。
薬剤は一部で使用されていたが、より多くの県民に使ってもらおうと数年前に改良。公共施設や住宅の壁に塗布すると、カビなどによる黒ずみが取れているのが確認できた。海ぶどうの養殖用いけすでも使用され、清掃作業の効率化につながっている。
宮平氏は「知ってもらうことで良さを実感してくれる商品だと思う」と語る。「まずは月当たり100リットル以上を出荷したい。地元が首里なので首里城の城壁にも使ってもらえるよう実績を上げていきたい」と意気込んだ。商品は1リットル4180円から。問い合わせは電話098(988)8212。 (小波津智也)