文化部活動の研究成果を発表し、今後の振興と発展につなげようと、第34回全国高校文化連盟研究大会(文化庁、全国高校文化連盟主催)が12月1、2日の両日、琉球新報ホールを中心に開かれた。県内からは、郷土芸能部顧問を務める八重山商工高校教諭の張本直子さんと八重山農林高校教諭の東内原聖子さんが、部活動を通した生徒の成長や実践活動を報告した。
1日は大分と宮崎、鹿児島、沖縄の各県による実践発表があり、多様な取り組みが紹介された。張本さんと東内原さんは「郷土芸能の力」と題し発表した。
八重山の三つの高校にはそれぞれ郷土芸能部がある。県内の郷土芸能大会で優秀な成績を収め、いずれかの学校が全国高校総合文化祭に選抜されるなど活発に活動する。一方で「芸能は競い合うものか」という疑問や、奉納舞踊を起源とする八重山舞踊の特異性よりもエンターテインメント性を重視する懸念もあり、張本さんは「地域に認められ、喜ばれ、評価される演舞を目指したい」と語った。
東内原さんは、地域行事や生徒自身が企画する卒業公演などの実践を映像や写真を交え紹介。生徒たちは御嶽(オン)や歌碑を巡り、地域文化と歴史的背景を「楽しみながら学びにつなげている」と語った。
生徒たちが郷土芸能を学ぶことは、表現力を高めて郷土に愛着を持ち、芸能を通した交流で視野を広げる機会になるとして、張本さんは「地域の民俗芸能を謙虚に真摯(しんし)に学ぶ姿勢を大切に、地域社会と意思疎通を図りながら学校で芸能の指導に携わりたい」と締めくくった。
(吉田早希)