【宮古島】自民党国防議員連盟(衛藤征士郎会長)が11日、宮古島市を訪れ下地島空港や市伊良部の長山港などを視察した。参加した同議連事務局長の佐藤正久参院議員は視察後、自身のツイッターで同空港について「県管理でなく国管理にしたら」などと主張した。
防衛省は県内離島の民間インフラを自衛隊が平時から利用できるようにしていく構えで、防衛族議員らによる今回の視察もその環境づくりにつなげる狙いがあるとみられる。
佐藤氏は視察後にツイッターで下地島空港について「老朽化が進んでいる」と指摘し、滑走路や誘導路にひび割れなどがあると指摘した。その上で「尖閣に近い空港、県管理ではなく国管理にしたら国民保護や観光含め活用の幅が増えて、維持整備も容易かと」などと投稿した。
下地島空港は那覇基地(那覇空港)と同様に3000メートル級滑走路を有しており、自衛隊の輸送機や戦闘機が円滑に離着陸できるとされる。国防議連は2020年に下地島空港の自衛隊使用を求める提言を政府に提出していた。
一方、同空港を巡っては、1971年に当時の琉球政府が日本政府との間に民間機以外の使用を認めないとする「屋良覚書」(確認書)を交わしている。自衛隊などが利用しようとする動きについて、宮古地域の市民らによる複数の平和団体からは屋良覚書の順守を求める声が上がっている。
国防議連は12日も市内の自衛隊関連施設などの視察を予定している。
(佐野真慈)