企業の「志」明確化必要 一橋大ビジネススクール客員教授の名和高司氏が講演〈琉球フォーラム〉


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名和 高司氏

 会員制の講演会組織「琉球フォーラム」(主宰・普久原均琉球新報社長)の1月例会が11日、那覇市の沖縄ハーバービューホテルで開かれた。一橋大学ビジネススクール客員教授で京都先端科学大学教授の名和高司氏が「パーパス経営の実践」と題して講演した。

 名和氏は「パーパス」を「志」と定義する。企業の志を明確化し、社会に与える価値を示しながら経営していくことの必要性を説いた。

 パーパス経営の価値の源泉はカネやモノの有形資産ではなく、「ヒト」というこれまでコストと捉えられていた部分が重要だと指摘。社内外の志の共有、共感により「ブランド価値が上がり知恵が集積し、ネットワークが広がるといった無形資産が増えていく。これが利益にもつながっていく」とした。

名和高司氏の講演に耳を傾ける会員ら=11日、那覇市の沖縄ハーバービューホテル(大城直也撮影)

 パーパスの浸透について、「若い世代と経営層は浸透しやすいが、現場の軸になっているまじめな30~40代ほど、数字に追われパーパスどころではない。この層にいかに浸透させるかが鍵だ」と指摘した。

 パーパス経営の実現に必要なことは「ワクワクする目標を掲げ、自社ならではの価値を創造し、大きく一歩を踏み出すことで『できる』を実感することだ」と話した。
 (玉城江梨子)