「報酬」の解釈に食い違い 衆院事務局「評議員も含まれる」


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国会議事堂(資料写真)

 元防衛相の小野寺五典衆院議員が辺野古関連業者が設立した財団法人の評議員を務めていた件で、適法性を巡って小野寺氏側と衆議院事務局との見解に相違が生じている。「国会議員資産公開法」で報告が義務付けられている「報酬」の解釈に食い違いがみられるのだ。

 「国会議員資産公開法」は、国会議員の資産公開制度の関係法令で1993年1月に施行された。罰則規定はないが同法4条で「報酬を得て会社その他の法人の役員、顧問その他の職に就いている場合」に該当する国会議員に法人名や役職名を記載した「関連会社等報告書」の提出を義務付けている。

 小野寺氏の2020~22年の同報告書には、顧問を務める会社、客員教授を務める大学それぞれの記載はあったが、財団の評議員の肩書きはなかった。小野寺氏側は不記載の理由として、法令上の「報酬」が、「給与所得の源泉徴収票が発行される役員、顧問その他の職に就いていることに対する報酬、恒常的な給与所得」に限定されると主張。評議員を務めた財団から支払われる「報酬」は、「会議出席報酬」で「講演料や出演料と同じ雑所得」に当たり、届け出の義務は発生しないとの認識だ。小野寺氏側は、この「報酬」について衆院議長に提出する「所得等報告書」で「法に基づき適正に報告」していると回答した。一方、衆院事務局によると、この「役員、顧問その他の職」には評議員も含まれるとし、「報酬」は規定の中に「金銭による給付」とだけ記載されているという。「給与所得」や「会議出席報酬」など、「報酬」の種類の区別は、「特にない」(衆院事務局担当者)としている。
 (安里洋輔)