今月末に宮古島市の下地島空港を訓練で使用するため、13日に同空港を管理する県に「空港使用届」を出していた在沖米海兵隊は18日、一転して訓練を取りやめる考えを示した。米軍が下地島での訓練実施に向けて準備をしていることが17日に報じられてからわずか1日。本紙取材に「人道支援、災害救援などのためのヘリコプター離着陸訓練を県が認めなかった」などと回答。県に責任転嫁する格好で、訓練を取りやめた。ただ、届を受理した県には連絡がないままで、担当者は困惑の表情を浮かべる。
12日に行われた外務・防衛担当閣僚による日米安全保障協議委員会(2プラス2)では、昨年12月に閣議決定した安全保障関連3文書も踏まえ、民間用を含む空港・港湾の柔軟な使用を自衛隊だけでなく米軍も含めた2国間協力に発展させることで一致していた。
米海兵隊による届け出はその翌日だったこともあり「継続的に利用する可能性がある」(県関係者)と、利用が既成事実化することに警戒感も広がっていた。
13日に届け出ていながら、17日にこの事実が報道されてからわずか1日での方針転換となった。海兵隊は18日昼には取材に対し「報道は事実ではない」などと、打ち消すような回答をしていた。急転直下で対応が変更されたことがうかがえる。
県関係者の1人は、米軍から届け出を取り下げるとの連絡がないことに困惑しつつ「地元の反応に驚いている面もあるのではないか」と思慮した。
今回は「下地島空港での演習は予定されていない」と回答した米海兵隊。だが、2プラス2で合意した事実は変わらず、今後も改めて使用を申請する可能性は残されている。
(知念征尚)