【沖縄】沖縄市の銀天街を舞台にした映画「コザママ♪~うたって!コザのママさん!!~」の特別上映会が、地元銀天街で始まった。20年前に人気を集めた女子高生バンド「銀天ガールズ」が、街おこしイベントのためにバンドを復活させる物語だ。作品のゼネラルプロデューサーを務め、銀天街の活性化に関わってきたコザ十字路通り会の森寛和会長に、映画の見どころと狙いを聞いた。 (聞き手・石井恵理菜)
―制作背景は。
「約2年前、銀天街にあるカフェで中川陽介監督と雑談したことがきっかけだ。中川監督から映画で街づくりをしたいという意向を聞いた。銀天街がある照屋地区はひとり親家庭が多く、通りの店舗の中には子どもたちにスープやお菓子を提供する所がある。監督はその取り組みに興味を示したようだ」
「私自身、子どもの貧困をどうにかしたいという思いがあった。監督に地元の子どもたちを出演させてほしいと要望した。映画に出演してもらうことで、誇らしく思ってもらえたらいい。街を映像に残すことも価値になる。銀天街を知ってもらうチャンスだと考え、通り会として2022年度沖縄文化芸術の創造発信支援事業に応募し、採択された」
―映画の見どころは。
「音楽にこだわった映画だ。戦後、照屋には『黒人街』と呼ばれる地域があった。コザはロックのイメージが強いが、黒人街の照屋はブルースがあふれていた。映画ではブルースから派生したR&B(リズム・アンド・ブルース)を主人公ら『銀天ママさんズ』が歌う。ジョニー宜野湾さんが、コザ騒動をモチーフにした曲を歌うシーンも見どころだ。出演者のせりふ回しも“コザンチュ”を感じるもので、見ていて楽しめる」
―街づくりの一環としても制作された。
「銀天街が昔のように商業地として発展することは厳しいはずだが、コミュニティーとして街をどう使っていけるか考えていきたい。映画はその一環だ。銀天街には子どもを大事にする土壌がある。どんどん銀天街で遊んでもらい、人が集まる場所にしたい」
「映画を活用したイベントを仕掛けていく。イベントの中で上映会をし、地元の人が映画館とは違う雰囲気で映画を楽しめるようにしたい。銀天街は昔からの古い建物ばかりだが、ここでしか見られない風景がある。近年はコスプレイヤーが銀天街を訪れている。多くの人に映画を見てもらい、街の魅力に気付いてほしい」
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銀天街で特別上映会を開催している。21、28日は午後3時と午後6時の2回。29日は午後6時のみ。会場は銀天街ゆらてぃく広場向かいの「旧コザ青春劇場」。入場無料。問い合わせはコザ十字路通り会、電話098(923)1404。