お手頃な価格、行列も おきなわ花と食フェス 地産地消、多彩に発信 奥武山


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「おきなわ花と食のフェスティバル」を楽しむ来場者=21日、奥武山公園

 沖縄県那覇市の奥武山公園で始まった「おきなわ花と食のフェスティバル」は初日の21日、特産品を見たり、味わったりしようとブースによっては来場者が列をつくるなど、新型コロナウイルス禍から活況を取り戻しつつある様子がうかがえた。

 4年ぶりの対面開催となった今回は、コロナ対策で出展数やイベントを一部縮小し、会場ではエリアごとの消毒と検温を徹底。畜産物を販売する「まーさん市場」は、4年前までは大型テントの下に各出展ブースを配置していたが、今回は密を避けるために店舗ごとにテントを並べ、より開放的な空間になっている。

 ウクライナ情勢や円安の影響で原材料費の高騰が続く中だが、お手頃な値段で商品を提供する店舗が目立った。

 本島北部に農場を持つ沖縄食鶏加工(八重瀬町)は、ヤゲン軟骨や商品化を目指す若鶏のギョーザを1パック350円で販売。親川達也食品事業部長は「市場でえさ代は2倍近くになっているが、今回はお祭り価格。県産のよさをアピールしたい」と語った。

 黒糖作りの体験ブースでは子どもたちがサトウキビから汁を搾ったり、煮詰めたりする過程を体験し、できたての黒糖に舌鼓を打った。2021年5月に過去最多となった県内製糖工場の黒糖の在庫は、少しずつ解消に向かっている。県黒砂糖協同組合の宇良勇次長は「新規の商品開発の話も仕掛けてもらっている。4年ぶりで天気にも恵まれ、どんどん発信したい」と意気込んだ。

 県立武道館で、花きやフラワーデザインの作品を見つめていた那覇市の女性(63)は「知り合いの出品を見に来たが、どれも参考になる。久しぶりに足を運んで良かった」と話した。

(當山幸都)