コロナ死の発表、最長「178日遅れ」、クラスターは最長「10カ月遅れ」 調査団体が沖縄県に提言書


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沖縄県庁(資料写真)

 調査団体インフォームド・パブリック・プロジェクト(IPP、河村雅美代表)は19日、新型コロナウイルスに関する県の公開情報について、死亡者情報の発表が最長178日、クラスター(感染者集団)は最長約10カ月の遅れがあるとの検証結果を発表した。

 IPPはSNSで協力を受けた有志と検証した「新型コロナウイルス感染症における県の死亡者とクラスター報告遅延問題」として11日、玉城デニー知事宛てに提言書を提出した。感染症拡大時の速やかな情報発信は感染状況の把握に加えて、市民の行動規範や感染対策のツールとなるとして、改善を求めている。

 IPPは昨年1月から11月までの流行第6波と第7波を検証。死亡者発表の遅延は死亡日から最短4日、最長178日、平均30日だった。クラスターは昨年11月の発表時に1月の事例が報告されたほか、地域別の偏りがあると指摘する。

 情報遅延の理由として県が感染拡大時の業務逼迫(ひっぱく)を挙げている点には「特化した報告回路」の整備が必要としている。また、公開情報には事後検証や第三者による分析に必要な情報が不足しているとして、情報共有方法の改善を求めた。

(嘉陽拓也)