今帰仁スイカのブランド向上へ 若手農家が一致団結「スイカサミット」結成 栽培技術向上や所得増目指す


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
今帰仁スイカサミットの上間翔委員長(右)と島袋剛副委員長=21日、今帰仁村今泊

 【今帰仁】今帰仁村産スイカのブランドを高め、地域を盛り上げようと、村内の若手生産農家はこのほど、「今帰仁スイカサミット」を立ち上げた。村内の四つの生産組合が参加する。講演会や勉強会の開催などを通し、これまでつながりが薄かった村内の生産者間の連携を強化することで、栽培技術の向上や各農家の所得増を目指す。

 村内にある生産組合は「JAおきなわスイカ生産部会」「今帰仁すいか」「大城青果」「生産グループ北山」。それぞれが「今帰仁スイカ」のブランドで県内外の市場に出荷している。サミット委員長を務めるJA生産部会の上間翔さん(35)は「同じブランドだが、品種や栽培体系が異なり品質にばらつきがある。販売スペースがかぶってしまうこともあった」と組合同士の連携不足による課題を指摘する。

 生産面では、病害虫の異常発生や生産農家の担い手不足など課題が山積している。ブランドについても、上間さんは「県内では認知されている一方、県外ではいまひとつ。『本当に甘いのか?』と県内の消費者に言われることもあった」と危機感を募らせる。

 上間さんらは10アール当たり収量(反収)の3割増を目標としており、今後は高品質のスイカの生産に力を注ぐ。23日には大手青果卸業者を招き、栽培技術の向上や販売知識を学ぶ講演会を開催した。

 副委員長を務める「今帰仁すいか」の島袋剛さん(41)は「同じブランドなので、できれば一定の水準で足並みをそろえたい。品種や栽培法などで情報交換や共有の場がもっとあってもいいと思う」と話し、期待を込めた。
 (長嶺晃太朗)