相模原殺傷事件から「何を学ぶのか」 澤監督、映画上映後にトークショー 沖縄市


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津久井やまゆり園事件のドキュメンタリー映画「生きるのに理由はいるの?」の澤則雄監督=沖縄市のシアタードーナツ・オキナワ

 【沖縄】2016年に神奈川県相模原市の知的障害者施設「津久井やまゆり園」で起きた殺傷事件の全容を描いたドキュメンタリー映画「生きるのに理由はいるの?」(澤則雄監督)が2月1日まで、沖縄市の劇場シアタードーナツ・オキナワで上映されている。同劇場でこのほど開かれたトークライブで澤監督は「事件から何を学び、どう未来を作るのかを考えることが重要だ」と語った。

 映画は津久井やまゆり園の入所者45人が死傷する犯行に及んだ植松聖死刑囚の足跡をたどり、なぜ事件が起きたのか、植松死刑囚の主張は何かなど、関係者からの取材を元に事件の全容を描く。多くの利用者が入所する巨大施設の在り方や、被害者の匿名報道などから垣間見える優生思想など、事件をきっかけに浮かび上がった問題を提示する。

 トークライブでは澤監督と来場者との間で活発な議論が展開された。息子が重度の知的障がいという男性は「健常者と障がい者が共に学べる環境が必要だと思う」と述べると、澤監督は賛同した上で「現状の社会は子どもたちに競争を促し、勝ち組と負け組に選別している。弱者を見下すようなシステムを変えなければならない」と答えた。
 (名嘉一心)