「地球の裏側に私のルーツ」ブラジルの沖縄県系4世・大城さん、若者同士の交流深める「沖縄もっと知りたい」


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2016年に家族で訪れた沖縄で、親戚らと写真を撮る大城ジュリアネさん(右から2人目)

 ブラジルのカンポ・グランデ出身で「Federal do Mato Grosso do Sul大学」3年生の県系4世、大城ジュリアネ・ラミレスさん(20)が、ウチナーネットワークをつなぐ活動や沖縄の同世代と交流を深める活動を続けている

 名護市出身の曽祖父(そうそふ)・大城鉄雄さんと祖父・昇さんが1954年にブラジルのカンポ・グランデに移民した。ジュリアネさんは、父の大城シデネイさんと母のラミレス・エレナ・ルシアナさんのもとに生まれ、2人姉妹で育った。現在は大学で法律を学ぶ。

 カンポグランデは多くの沖縄県系人が暮らしており、幼い頃から沖縄の音楽を聞いたり太鼓を見たりしてきたが、中学までは沖縄に対する気持ちはなかったという。「日本と沖縄の違いを知らなかった」と振り返る。

 ウチナーンチュとしてのアイデンティティーを持ち始めたのは14歳の頃。2016年に曽祖父の33年忌で初めて沖縄を訪れた時だった。「地球の裏側で言語も違うのに家族がいて、ルーツがあることに気づいた。それから沖縄のことをもっと知りたいと思うようになり、日本語の勉強も始めた」。その後、沖縄の歴史が知りたいと考え、県人会活動に積極的に参加するようになった。

 昨年は沖縄県が主催する「ウチナージュニアスタディー事業」に参加した。「沖縄のこと、家族のことをたくさん学んだだけでなく、出会った人に感謝している。参加した人たちを通して沖縄を感じた」

 ウチナージュニアスタディー事業を運営していた、一般社団法人世界若者ウチナーンチュ連合会の比嘉千穂代表がきっかけで、連合会の活動に参加。第7回世界若者ウチナーンチュ大会の企画チームとして尽力した。

 カンポグランデ沖縄県人会では青年会に参加する。約10人の青年会メンバーと新年会、忘年会などのイベント企画を行うなど、活動を続けている。カンポグランデ沖縄県人会のいいところについて、ジュリアネさんは「いちゃりばちょーでー(出会えば兄弟)の気持ちを持っているところ」と笑顔で話す。

 今後は琉球舞踊を習う予定だ。沖縄県民入植110周年の催しで琉球舞踊を見て「感情的で美しい」と心を打たれたという。「言語再生や文化に関する法律を勉強したい」と、やりたいことに満ちあふれていた。

(安里三奈美通信員)