県高校冬季剣道団体戦 男子は興南、女子は小禄がV 中学新人大会・男子は石田、女子は昭和薬科が栄冠


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 剣道の第54回県高校冬季大会・県中学校新人大会は29日、那覇市の県立武道館で行った。高校、中学とも団体戦で、予選トーナメントを勝ち抜いた4チームが決勝リーグを戦った。高校男子は興南が2連覇し、女子は小禄が優勝。中学男子は石田が3連覇、女子は昭和薬科が制した。高校の優勝校は全国選抜(3月・愛知県)の出場権を獲得した。中学は男女4チームずつが神埼市長旗全国選抜大会(3月・佐賀県)に派遣される。同大会は新型コロナウイルスの影響で規模が縮小となり、九州8県のみからチームが参加する。

小禄 副将・渡名喜、勝利呼ぶ一本

女子決勝リーグ 興南―小禄 踏み込んで面を決める小禄の副将・渡名喜愛美佳(右)=29日、那覇市の県立武道館(ジャン松元撮影)

 勝った方が優勝となる小禄対興南。1敗で迎えた中堅戦、小禄の又吉翔子は虎視眈々(こしたんたん)と隙をうかがっていた。上段構えで圧力を掛けてくる興南の渡名喜優美佳は、昨秋の新人大会で面を二つ取られて負けた相手だ。「上段構えの選手に協力をしてもらい、準備をしてきた」。面を打ってきた瞬間、ぴたりのタイミングで小手を打ち抜き一本。1勝1敗のタイに戻した。

 続く小禄副将は、興南の渡名喜の妹である1年の渡名喜愛美佳。チーム一大柄な165センチの体格を生かし、果敢に攻め立てる。試合中盤、相手とほぼ同時に面を放ったが、パワーで勝って相手竹刀をはじき、一本を奪った。「無意識に体が動いた」と極度の集中状態を保ち、又吉と並んで優勝の立役者となった。

 昨年の県総体や県新人大会など、苦杯をなめさせられ続けてきた興南を倒し、大将の本田愛主将の目には試合終了と同時に涙があふれた。本田と又吉を中心に、「言われたら嫌な事もみんなで指摘するようにしてきた」と厳しさを貫き、高め合ってきた。一丸で全国切符を手にし、「沖縄の歴史を塗り替えられるように頑張りたい」と力を込めた。
 (長嶺真輝通信員)

興南 2連敗ピンチ 冷静貫き逆転

男子決勝リーグ 興南―小禄 果敢に攻め込む興南の大将・源河諒大(奥)

 興南は優勝の懸かる小禄戦で先鋒(せんぽう)、次鋒を取られたが、中堅の手登根煌青に焦りはなかった。チームメート、監督、客席の保護者らを見渡して日々の練習を思い返し、気を静める。「逆に流れをつくるという強い気持ちで臨んだ」。前に出続けて面を2本奪い、反撃ののろしを上げた。

 副将の許田奏琶も白星で続き、迎えた大将戦。「相手は攻めてくると思った」という源河諒大主将が2本の出鼻小手を決めて優勝を決めた。昨年12月には、大野旗争奪大会で県勢過去最高の3位に入った興南。源河は「全国でベスト4、優勝を狙いたい」と力を込めた。
 (長嶺真輝通信員)