水道水のPFAS「人体への毒性評価を基準に」市民団体が国に要請 WHO案を批判


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毒性評価などに基づく有機フッ素化合物(PFAS)の基準値を定めるよう要請した「有機フッ素化合物(PFAS)汚染から市民の生命を守る連絡会」=30日、那覇市泉崎の県庁

 人体に有害とされる有機フッ素化合物(PFAS)の水道水質基準に関して厚生労働省と環境省が見直す方針を示していることに対し、県内で血中濃度検査などを独自に行った「有機フッ素化合物(PFAS)汚染から市民の生命を守る連絡会」は30日、人体に対する毒性評価を根拠とした基準値を定めるよう求める要請を厚労省の水質基準逐次改正検討会に送付した。

 併せて国や都道府県による広範な疫学・健康調査や水質・土壌調査の実施も求めた。

 2022年9月、世界保健機関(WHO)は日本の暫定目標値を上回る暫定ガイドライン値案を示した。研究者らからは「規制強化に逆行する」との批判が上がっている。

 30日、県庁で会見した連絡会の伊波義安、桜井国俊共同代表らは、WHO案が人体に対する毒性評価を基にしたものではなく、除去が技術的に可能かを基にしたものだと批判。24日に開かれた厚労省検討会がWHO案を軸に議論を進めていることに強い危機感を示した。
 (安里周悟)