大人も楽しめる絵本 「たまごのはなし」しおたに まみこ著 <司書の推し本>9


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「年齢に関係なく、作品の面白さに触れてほしい」と話す比嘉千晶さん

[推しポイント]大人も楽しめる絵本

 作品の中のたまごはユニークです。行動や発言は容赦なく、そんなたまごを見守るマシュマロとのバランスも見どころの一つ。鉛筆で繊細に描かれた絵も魅力的で、2人の豊かな表情に引き込まれていきます。

 絵本を読むことに年齢は関係ありません。部活や勉強などで読む時間がない児童生徒のほか、大人も楽しめる作品だと思います。

 (比嘉千晶・県立南部工業高校)

[あらすじ]気付き与える言葉

 ある日突然、自我に目覚めた主人公のたまご。初めて歩き出し、自分で考え、会話する。近くにいたマシュマロを起こすと、2人は今まで過ごしたキッチンを出て、新しい世界に繰り出す。「じぶんが かんがえていることは はなさなければ あいてには ほとんど つたわらないんだって」

 収録する三つの話で、たまごの真っすぐな言葉は、読者にさまざまな気付きを与える。


 若者の活字離れ、読書離れが指摘されて久しい。学校からは「図書館離れ」に嘆く司書の声が聞こえる。読書活動推進を目的に、新企画「司書の推し本」では、子どもたちに読んでもらいたい「推し本」を、学校図書館の司書に紹介してもらう。