【東京】一ツ橋文芸教育振興会(廣野眞一理事長)が主催する第42回全国高校生読書体験記コンクールの表彰式が30日、都内の東京ドームホテルで開かれた。県内からは知念高校3年生の伊禮愛瑠(あいる)さんが著した「精一杯に輝く命のために」が中央賞の一ツ橋文芸教育振興会賞を受賞した。文科大臣賞、全国高等学校長協会賞などに続く上位賞。助産師を志望する伊禮さんは受賞と相まって「夢に向かって前進していきたい」と喜びを語った。
伊禮さんが読書体験でつづったのは、橘ももさんの「小説 透明なゆりかご」(講談社文庫)。沖田×華さんの漫画が原作で、テレビドラマ化もされた。物語は看護師見習いの目を通して、十代の妊娠、中絶を選ばざるを得ない妊娠など望まれない命もある産婦人科の現場を描いた。
受賞体験記で伊禮さんは、自らが志す助産師を「命のはじまりを精一杯に輝かせることができる。そしてそれを全力で支える事ができる」と著し、助産師となって「人のためになるような仕事をしたい」と決意を込めた。伊禮さんは4月から県立看護大学に進学する。
コンクールには全国424校から7万6163編の応募があった。上位の中央賞には伊禮さんを含む8人が選ばれた。知念高校には学校賞も贈られた。
(斎藤学)