プロ野球は1日に沖縄、宮崎両県で、6日に始動する西武を除いた11球団がキャンプインした。3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表に選ばれたロッテの21歳剛腕、佐々木朗は吉井新監督が見守る中でキャッチボールやノックを受けるなどして汗を流した。昨季三冠王に輝いたヤクルトの村上はWBCでも活躍が期待される中、打撃練習では快音を響かせた。今季の12球団監督では最年長65歳で、15年ぶりに阪神の指揮を執る岡田監督はじっくりと選手を見守った。広島の新井新監督はサインをするなどファンサービスもした。新型コロナウイルスの感染対策は緩和され、ヤクルト以外の11球団が観客数の制限を設けずに実施する。宮崎県では西武を含む5球団が鍛え、沖縄県では就任2年目を迎えた新庄監督の日本ハムなど7球団がスタート。2月17日からWBC日本代表の強化合宿が宮崎市で始まり、23日にオープン戦がスタートする。日本代表は3月9日に中国とのWBC初戦に臨む。公式戦は日本ハムが新球場で30日に楽天と開幕戦を行い、他の5球場は翌31日に幕を開ける。
完全復活に向けて横浜DeNAの右腕、平良拳太郎(27)=北山高出=が2年ぶりに1軍で始動した。右肘靱帯(じんたい)の再建手術から再起を期す節目のプロ10年目。「みんな先発は2桁勝つことを目標にやっていると思う。それがチームに一番貢献することになる。自分もそこを目指したい」と1軍先発返り咲きへ闘志を燃やす。
初の開幕ローテーション入りをつかむなど上り調子だった2020年シーズンから一転、翌シーズンの初登板で肘に痛みが走った。子どもの時から投げ続け違和感は抱いていたが、「それを守るだけの筋力がなかった」。ついに肘が悲鳴を上げた。
意を決して手術を選択した。長期のリハビリを余儀なくされ、登録抹消で自由契約に。育成選手として出直しとなったが、後悔はなかった。「前を向くしかない。早く復帰して投げたい」と自らを鼓舞した。
リハビリ明けの最初のブルペンは119キロの球速だった。そこから慌てることなく一歩一歩前進し、昨年7月、手術から1年越しに再び支配下に舞い戻った。
復帰戦は9月1日。ファームでの西武戦で先発登板し三回を投げ、6者連続を含む7奪三振の力投で復調の兆しを見せつけた。
今季目指すは先発起用で規定投球回数の達成。オフ期間の自主トレでは「走り込みなど基礎的なことを今までにないくらいやってきた」とフィジカル強化を徹底し、1年間戦える体づくりを図った。けが前から約4キロ増量したという。
春季キャンプ初日は感触を確かめるようにまっすぐを30球じっくりと投げ込んだ。強みは「どの球種でもストライクが取れて勝負ができること。質のいい直球を低めにコントロールしてから幅を出す投球が求められると思うので、そこの技術力を上げていきたい」と取り組むべきテーマを掲げる。6枠の開幕ローテ入りへ、地元沖縄で再出発を誓い、全力で走り抜く。
(謝花史哲)