楽天・内間、覚悟の先発転向 開幕ローテ入り目指す<疾走県勢2023春キャンプ>


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先発ローテーション入りに向け、キャンプ初日から投げ込む楽天の内間拓馬=1日、金武町ベースボールスタジアム(屋嘉部長将撮影)

 3年目の楽天の内間拓馬(24)=宜野座高―亜細亜大出=が先発ローテーション入りに挑戦している。キャンプでは初日からブルペンで75球を投げ込んだ。「ほかの選手に比べて実績はないので初日からアピールした。勝負という意味でもしっかり投げた」と表情に覚悟が表れた。

 プロ1年目は1軍戦に中継ぎで11試合に登板し、16奪三振7失点。2年目は50試合登板を目標に挑んだが、「気持ちと体がかみ合っていなかった」。周囲が見えなくなるまで気持ちが先行してしまい、力みにつながった。特に前半戦は「投げた感じと実際の球にギャップがあった」と球威のある直球を投げたつもりが、打たれることが多かったという。2軍で25試合に登板し17失点、1軍登板も1試合にとどまった。

 そんな中、昨年9月中旬に先発転向を打診された。チームの先発には則本昂大、岸孝之、田中将大らビッグネームがそろう。それでも内間は「チャンスだと思った。これだけ投手がいる中で簡単に与えられるポジションではない」と前を向いた。10月のフェニックスリーグでは6回を無失点、6奪三振と粘りの投球を見せた。

 オフの自主トレでは苦手という持久力強化にも取り組んだ。キャンプに入り、ブルペンではより実戦に近づけるため、「具体的な意図を持って」とコースや球種、決め球などを宣言しながら投球している。捕手やコーチに、どのように見えるか意見を求めている。周りが見えていなかったという昨季の反省から、自身を客観視することでマウンドでの余裕を得たいと考えている。

 目指すは開幕時からのローテ入り。「未知数なので具体的な数字はいえないが、1年間ローテーションを守るのが理想」と飛躍を誓う。
 (屋嘉部長将)