防衛省は、陸上自衛隊と米海兵隊が2~3月に予定する離島奪還訓練で、沖縄県内の米軍施設を使用した上陸訓練などを実施する方針だ。計画では、ブルービーチ訓練場(金武町)に、陸自の水陸両用車AAV7で部隊が上陸。本島西方の無人島、入砂島(渡名喜村)は、空や海からの攻撃を陸上部隊が支援する訓練の一環で利用する。政府関係者が3日、明らかにした。
防衛省は、日米の離島防衛部隊が参加し、鹿児島県の徳之島や喜界島も訓練場所にするとしている。鹿児島から沖縄にかけての広範囲に展開し、中国に対するけん制姿勢を示す狙いだが、緊張関係を高める恐れもある。
訓練は、陸自の離島防衛能力向上を目的に米本土で実施してきた通称「アイアン・フィスト(鉄の拳)」で、今回初めて日本国内に移る。陸自は長崎県が拠点の「水陸機動団」、海兵隊は沖縄駐留の即応部隊、第31海兵遠征部隊(31MEU)が主力として入る。
政府関係者によると、ブルービーチでは、離島作戦の主要装備品として導入されたAAV7や海上自衛隊のホーバークラフト型揚陸艇(LCAC)で水陸機動団の隊員が上陸。近くの米軍キャンプ・ハンセン(金武町など)で陸上戦闘を訓練する予定だ。
米軍の射爆撃場となっている入砂島では、陸上部隊が攻撃目標を伝え、航空機や艦艇が射撃する「火力誘導」の訓練を、日米が連携して実施することを検討している。
一連の訓練では、大分県の日出生台(ひじゅうだい)演習場と鹿児島県の徳之島で、輸送機オスプレイが加わる日米の大規模な上陸訓練や、鹿児島県の喜界島で陸自によるパラシュート降下なども展開する。
(共同通信)