日ハム・上原 自分の投球を追求 握りやリリース「これまでと違う」<疾走県勢2023春キャンプ>


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紅白戦で登板する上原健太=1日、タピックスタジアム名護(大城直也撮影)

 プロ8年目を迎える日本ハムの左腕・上原健太(28)=あげな中―広島・広陵高―明治大出=は1日、1軍として名護市でキャンプインし、今季への覚悟と決意を示した。

 2022年は25試合に登板し、3勝5敗で防御率は3・19。一方、初めて二刀流として挑んだが、打者としての打撃成績は5打数1安打1得点にとどまった。

 昨年12月末、県内で実施した野球教室で一緒になったソフトバンクの東浜巨投手からボールの握り方でアドバイスを受け、全面的に見直した。「フォーク、真っすぐ、スライダー、ほぼ全てで変えている」と明かす。「全く新しいボールになっている」としつつ、試行錯誤が続く。昨季は「抜けるようなボールが多く、苦労した。これがとても嫌いで、こんな球なら(いろいろ)変えてしまえという思いだった」と吐露する。

 東浜からシンカーの握りを見せてもらい、「いい落ち方をしているし、使えるな、面白いなと感じた」。ただ、全てをまねている訳ではない。「ひねりを加え、少し回転をかけている。握りもリリースもこれまでと違う」と、自らになじむ投球を獲得しようと追求を続けている。

 キャンプ初日から行われた紅白戦は各投手が1イニングずつ投げ、投球の感触を確かめた。2回に登場した上原はストレート中心の投球内容だったが、球が浮いて制球が定まらない印象で、甘い球をうまく外野へ運ばれた。四死球もあって3失点と振るわなかった。

 「悪いものを全部はき出した。いろんな意味ですっきりした。やるべきことが見えた」と吹っ切れた様子で現状の自分自身を受け入れ、飛躍を遂げようと努力していく姿勢を見せる。

 「落ち込んでいる暇はない。あと2カ月ある。どうやって悪い部分を一つ一つつぶしていくかが大事」と前だけを見据えた。飛躍に向け、大きな転換点になるかどうかが注目される。

(大城三太)