ルーキーの野手で唯一の1軍キャンプ参加となった楽天のドラフト5位、平良竜哉内野手(前原高―九州共立大出、NTT西日本)。「開幕一軍」を狙い、ノックやバッティング練習に汗を流した。キャンプ初日、ノックでは先輩選手のリラックスした状態から打球一つ一つへの入り方などを確認した。
170センチと小柄だが、体全体を使う「フルスイング」が武器の一つだ。初日のバッティング練習では、「けがにつながらないように飛ばしすぎなかった」と言いつつも、鋭い打球を外野へ運んでいた。きわどいコースを突いてくるプロの投手にも対応できるよう外角の球も長打にすることを意識してきた。「しっかり逆方向へ打つ」ことを課題に掲げ、バットを振った。
キャンプ前の自主トレでは打撃や守備だけでなく社会人時代に自信をつけた走塁にも力を入れた。さらに1年間、戦い抜けるようにけがをしない体づくりにも励んだ。初のキャンプはテレビで見ていた人たちと練習することで緊張もあると言うが「練習だけでなく精神的な疲れも出てくると思う。いい意味で早く慣れたい」と意気込んでいる。
子どもの頃に見た県内キャンプで、プロの選手から多くの刺激を受けた。プロ野球選手の夢をかなえ、「次の世代の子どもたちに影響を与える選手になりたい。そのためにしっかり試合に出て活躍したい」と力を込める。
理想は168センチながらメジャーリーグで首位打者も獲得したホセ・アルテューベ。「フルスイングと積極的な走塁で2桁ホームラン2桁盗塁をしたい」とプロの世界で活躍する自身の姿を思い描く。“琉球のアルテューベ”を目指し、挑戦が始まった。(屋嘉部長将)