答えは一つじゃなくていい 「給食アンサンブル」如月かずさ著 <司書の推し本>10


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「本は心の栄養だ」と話す福里愛子さん

[推しポイント]答えは一つじゃなくていい

 子どもたちに「本は心の栄養」と伝えていますが、それも体の栄養があってこそ。おいしいものを食べると心も体も元気になります。人気者でも優等生でも悩みがあるけれど、答えは一つじゃなくていいのです。悩んで考え、おいしい給食を食べて再度振り返ると、違う考えや世界が見えることもあるのではないでしょうか。そうして悩んだ日々を、いつか笑顔で思い出せるといいと思います。

 (福里愛子・浦添市立神森小学校)

[あらすじ]給食通し変化する中学生

 転校先の学校になじむのを拒む美貴。子どもっぽいのがコンプレックスの桃。親友の姉に恋をする満。悩める人気者の雅人。孤独な優等生の清野。姉御肌で給食が大好きな梢。6人の中学生が給食をきっかけに変化し、自分自身を見つめて成長する、優しく胸に響くアンサンブルストーリー。連作短編集で「七夕ゼリー」「ABCスープ」「ミルメーク」など、各話のタイトルが給食のメニューになっている。


 若者の活字離れ、読書離れが指摘されて久しい。学校からは「図書館離れ」に嘆く司書の声が聞こえる。読書活動推進を目的に、新企画「司書の推し本」では、子どもたちに読んでもらいたい「推し本」を、学校図書館の司書に紹介してもらう。