【動画あり】一番競り「華ヤギ」に20万円の高値 沖縄のヤギ、競り価格が上昇基調


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一番競りにかけられる「華ヤギ」=7日、糸満市の南部家畜市場

 沖縄の食文化であるヒージャー(ヤギ)。新型コロナウイルス禍で需要が落ち込んでいたが、影響が和らぐのに伴い競り価格は上昇基調にある。糸満市の南部家畜市場で7日にあった2023年初競りでは、雄ヤギの平均価格が7万1197円と6年ぶりに7万円を超えた。1キロ当たりの単価も1350円と昨年2月から6回連続で上がっており、生産農家の減少で伸び悩む頭数回復への期待も高まる。

 136頭が上場された7日の南部家畜市場。今回初めて、牛の競りなどにならって一番競りのヤギはご祝儀相場がつきやすい「華ヤギ」とした。ひときわ大きな136キロの雄ヤギが登場し、20万4千円の高値が付いた。

 競り落とした長濱畜産牧場(宮古島市)の長濱国博代表は「飼料高騰もあり生産農家は苦労している。農家が増えて消費者への提供価格まで安定すれば、おいしい県産肉を多くの人に食べてもらえる」と話した。

 ヤギの需要は14年ごろから急速に高まり、南部家畜市場の雄ヤギの平均単価は16年10月に過去最高の9万1344円を付けた。インバウンド(訪日客)を含む観光客が増加し、ヤギ料理の認知度が高まったことなどが背景にある。

 1キロ当たりの単価は同月に1774円まで急上昇した。仕入れコストを商品価格に転嫁できず、コスト上昇のあおりを受ける形で閉店するヤギ料理屋が出たほどだった。

 競りの申し込み頭数も順調に伸びたが、コロナ禍で需要は減退。価格も落ち込んでいたが、昨年から徐々に上昇傾向にある。
 7日の初競りで、6頭を売ったという糸満市の男性は「予想以上の結果だった。生産農家としては助かる」と満足げだった。

(當山幸都)