PFAS問題を国連機関に訴えへ 沖縄の6団体が報告書提出 スイスの会議に参加も


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各問題を国連の関係機関へ訴えていく考えを示す宜野湾ちゅら水会のメンバーや各団体の代表ら=8日、県庁記者クラブ

 米軍基地周辺から有害性が指摘される有機フッ素化合物(PFAS)が検出されているといった沖縄県内の各問題に関し、市民団体「宜野湾ちゅら水会」とほか五つの団体は8日、県庁記者クラブで会見を開き、国連の関係機関へ問題を訴えていくことを明らかにした。

 6団体は1月末までに、国連人権理事会の諮問機関である「先住民族の権利に関する専門家機構」(EMRIP)に各問題の報告書を提出。ちゅら水会など一部は7月、スイスで開催されるEMRIPの会議へ直接参加も予定している。沖縄から6団体がEMRIPへ報告書を同時に提出するのは初めて。

 団体はほかに沖縄国際人権法研究会、有機フッ素化合物汚染から那覇市民の命を守る会、琉球民族独立総合研究学会、石垣市住民投票を求める会、南西諸島ピースプロジェクト。EMRIPは「軍事化が先住民の権利に与える影響」というテーマで報告書の提出を求めていた。

 同時提出を呼び掛けたちゅら水会は昨年、琉球民族独立総合研究学会と連名でPFAS問題を報告していた。町田直美共同代表は「沖縄はさまざまな問題がある中で、日本政府に訴えても伝わりにくい。(各団体と)足並みをそろえ、基地問題などを多くの人たちに知ってもらいたい」と力を込めた。EMRIPの会議参加に当たり、寄付も呼び掛けた。

(金良孝矢)