米兵と交際、相手の詳細把握を フルネームを知らない人も 沖縄のNPOがトラブル事例を報告


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米軍人と軍属との県内在住者の交際などで生じる国際家事トラブルを支援する県事業の報告会=7日、北谷町役場

 米軍人・軍属との交際や結婚、離婚などを通じた国際家事トラブルを抱える県内在住女性を支援する県の「国際家庭相談ネットワーク構築事業」の報告会が7日、北谷町役場で開かれた。市町村の関係者らが訪れた。同町役場1階にある国際家事福祉相談所のアドバイザーを務める国際家事相談NPO「ウーマンズプライド」のスミス美咲代表らが登壇し、トラブルなどの事例を紹介した。

 スミス代表は相談所に訪れる女性の中には英語力に課題があり、結婚していても相手のフルネームさえ把握していない事例もあるとして、米軍関係者と交際する上で把握しておくべき情報を紹介した。離婚や養育費、扶養料の回収などで支援する場合、相手方の(1)フルネームのスペル(2)生年月日(3)所属基地(4)所属部隊(5)階級(6)住居(7)出身地(8)沖縄に異動して来た日と異動予定日(9)沖縄に滞在している間の出張の予定や場所と期間(10)車のナンバー(11)電話番号―を把握する必要があるとした。

 スミス代表は「沖縄県民と在沖米軍の人は、共に沖縄で生活しているが、お互いのことを全く知らないのが現状だ。事件事故が起きた時に初めて基地内のことを知る。英語の壁もあり基地の中を知り得えるのは難しい、学ぶ機会があってもいい」と話した。

 国際家事福祉相談所は2020年度から米軍人や軍属と県内在住者の交際や結婚で生じる養育費や扶養料の未払いトラブルなどの相談を受け付け、場合によっては基地内への同行や相手側との協議も支援する。
 (梅田正覚)