沖縄の「所得向上応援企業」が語るリスキリング活用法 企業と従業員の「共倒れ」とは? 県シンポ


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リスキリングなど所得向上の取り組みについて報告する(左から)スタプランニングの又吉里美営業課長、拓伸会の古波津昇会長、照正組の照屋圭太社長、ジャパン・リスキリング・イニシアチブの後藤宗明氏=10日、那覇市の県立博物館・美術館

 県所得向上応援企業認証制度認証式・公開シンポジウム「企業の成長に必須のリスキリングとは~新たなスキルを獲得し所得向上に取り組む~」(県主催)が10日、那覇市の県立博物館・美術館で開かれた。ジャパン・リスキリング・イニシアチブ代表理事の後藤宗明氏が基調講演したほか、所得向上応援認証企業の経営者らが企業の成長のために必要なリスキリングについて意見を交わした。

 後藤氏はリスキリングを進める上で重要なのは「将来どんな事業をするのか、それに対してどんなスキルが必要になるのか、各部門ごとに決めること」と指摘した。「デジタル化によって自動化が加速し、技術的失業が進む前に、企業と従業員の共倒れを防ぐ攻めと守りのリスキリングをしてほしい」と話した。

 「県所得向上応援企業」に新たに7社が認証された。照正組の照屋圭太社長は、請求書の仕分け、財務会計システムへの取り込みなどをRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)で自動化し、業務効率化を図っていることを報告した。「リスキリングで所得が向上することを分かりやすくしていきたい」と語った。

 建築・設計のスタプランニングの又吉里美営業課長は「私自身が学び続ける姿勢を見せ、若い人が学べる環境、会社の仕組みを作っていきたい」と意気込んだ。
 拓伸会の古波津昇会長は、非正規従業員の正規雇用化や、OBが講師となり若手に技術を伝えていることなどを報告した。 (玉城江梨子)