第32軍壕、第1と第5坑口を優先公開 検討委がロードマップ了承、沖縄県知事に提言へ


この記事を書いた人 Avatar photo 瀬底 正志郎
第32軍司令部壕第5坑口=那覇市首里金城町

 沖縄県は10日、第32軍司令部壕保存・公開検討委員会の最終会合を開いた。知事への提言書について、詰めの協議を行い、第1・5坑口を優先的に進めながら、段階的に壕の保存・公開に向けて取り組むなどとするロードマップを了承した。素案になかった第4坑口、シャフト(縦穴)の調査などもロードマップに盛り込むことになった。

 提言書には、文化財指定に向けた取り組みや、展示や交流事業による平和教育・学習への利活用なども盛り込んだ。壕の段階的な整備では、県は第1・5坑口の早期整備を目指す。第1坑道の民有地部以外と、第2・3坑道は段階的な整備を検討。第1坑道の民有地部分と第4・5坑道などは整備・公開に際し課題が多いとして、最後に位置づけている。

 10日に開かれた県の検討委員会で、沖縄戦が専門の吉浜忍委員は「米軍はシャフトから中に入り、インテリジェンスモノグラフ(情報報告書)を作成した。位置は確認できていないが、歴史的に意義深い場所だ」と、第4坑口、シャフトの調査などをロードマップに位置づける必要性を強調し、事務局が受け入れた。

 提言書は県の事務局で最終調整し、検討委員会が3月に玉城デニー知事に手交する。
 (稲福政俊)