海銀、2年ぶりに減収増益 4~12月 与信費用減が寄与


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沖縄海邦銀行

 沖縄海邦銀行(新城一史頭取)が10日発表した2022年4~12月期の連結決算(対象子会社2社)は、売上高に当たる経常収益が前年同期比1.9%減の95億1500万円、経常利益が同32.5%増の19億400万円で、2年ぶりの減収増益だった。純利益は同39.1%増の16億1800万円。貸出金利息収入減などが収益を押し下げたが、経費や与信費用の減少が増益に寄与した。

 銀行単体も減収増益で、経常収益が同1.7%減の94億9400万円、経常利益が32.8%増の19億1900万円、純利益が39.6%増の16億3100万円。本業のもうけを示すコア業務純益は9・4%増の15億円だった。

 柱となる資金運用収益のうち有価証券利息配当金は計画通りに伸びたが、貸出金は平均残高が1.7%減少したため利息収入は減った。一方、店舗内店舗方式(ブランチ・イン・ブランチ)を進め人件費などの経費が抑制されたほか、貸し倒れに備える与信費用の戻し入れ益があり増益の要因になった。

 債権者区分を見直し、金融再生法に基づく不良債権比率は3.61%と2022年3月期から0・49ポイント上昇した。

 金利上昇で国債を中心に保有する債券の価格が下がり、時価のある有価証券は27億6100万円の含み損となった。崎山博之取締役は「満期まで保有すれば額面償還されるので、喫緊の課題という認識ではない」と説明した。
 (當山幸都)