沖縄景気「持ち直し」 物価高も消費が伸び 日銀、2月


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 日本銀行那覇支店(飯島浩太支店長)は10日、2月の県内金融経済概況(主要指標2022年12月)を発表した。県内景気は「持ち直している」とし、5カ月連続で判断を維持した。先行きも5カ月連続で「持ち直しが続くとみられる」と判断した。

 観光関連では、主要ホテルの客室稼働率は前年同月比17.3ポイント上昇の65.2%となり、新型コロナ禍以降で初めて19年の水準を上回った。23年1月の速報値は55.1%で、全国旅行支援の延長公表の時期などが影響し稼働率低下につながった可能性がある。

 個人消費では、百貨店・スーパーの販売額は全店舗ベースの速報値で前年同月比8.7%増加した。幅広い品目で販売価格が上昇する中で、消費者の購入単価が上昇し、購入点数も底堅く推移している。

 公共投資は、公共工事保証請負額が同37.6%減で2カ月連続前年を下回った。防衛や病院関連などの大型案件が一服したことで、弱めの動きとなっている。

 飯島支店長は個人消費に触れ「全体としては物価上昇にもかかわらず、緩やかな増加が続いている」と指摘。「行動制限下で積み上げられた貯蓄に支えられ、(抑えられていた消費が活発化する)ペントアップ需要の顕在化が考えられる」と分析し、当面はこの傾向が続くとの考えを示した。
 (小波津智也)