「いつでもどこでも安全じゃない」ウクライナ、続く攻撃…家族案じ 避難者が沖縄で講演


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ウクライナの現状やロシアに対する思いなどを語る(左から)ディアナ・メドヴィドワさん、アリナ・グラチョワさん、カテリーナ・シェフチェンコさん、ヤーナ・シュマクさん=11日、那覇市の県立図書館

 ロシアの侵攻を受け、ウクライナから沖縄県内に避難しているウクライナ人女性4人が11日、那覇市内で講演した。ウクライナの文化や伝統を笑顔で紹介する一方、今なお続く戦闘や自国に残る家族の話題になると、厳しい言葉でロシアを非難した。来場した県民らに「ウクライナの人と国は、強い志と心、自由への愛でできている。このことを皆さんに伝えたい」と語った。

 講演したのはアリナ・グラチョワさん(27)、カテリーナ・シェフチェンコさん(18)、ヤーナ・シュマクさん(22)、ディアナ・メドヴィドワさん(30)の4人。支援者のNPO法人MathMathGoodが講演を主催した。

 4人はウクライナの現状について、水や食料の供給に問題はないが、電力不足が深刻で計画停電により1日4時間しか電気が使えないことなどを説明した。ウクライナに残る家族の居住地付近が攻撃を受けることもあり「いつでもどこでも安全じゃない」と心配した。

 ロシアに対し、グラチョワさんは「プーチンの責任ばかり報じられるが、プーチンだけのせいではない。ロシア人の手によって、ウクライナの民間人や兵士の命が奪われている」と強調した。

 刺繍(ししゅう)を施した民族衣装ヴィシヴァンカを身にまとい、国花がひまわりであることや、友好的で助け合う国民性があることなど自国の文化も紹介。メドヴィドワさんは「沖縄は自然が多く美しい。人も親切だ」と、日本語で沖縄生活の感想を述べ、支援に感謝した。

(稲福政俊)