有機モズクで国内初のJAS認証を取得 沖縄・島酒家とマルミネ産業


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イオン琉球の店舗で販売する「奥武島産有機太もずく」

 【南城】種付けから栽培、加工まで薬剤などを使用しない奥武島(沖縄県南城市玉城)産のモズクを作る「もずく有機の会」がこのほど、モズク品目では全国初となる有機JAS認証を取得した。13日、南城市役所で会見し、認証取得後、同会が開発したモズクの商品「奥武島産有機太もずく」をPRした。

 「もずく有機の会」は、県産食材を使った加工食品などを製造・販売する島酒家(石黒新海社長)と、モズク生産・加工のマルミネ産業(嶺井伸也社長)の市内2社で構成している。両社は、薬剤不使用の「オーガニックモズク」の商品開発に取り組んだ。

 種付けの際に成長ホルモン剤などを使用するが、マルミネ産業は薬剤を使用せずに栽培し、年間約80トンのモズクを収穫する。嶺井社長は「父の代から40年余りモズク養殖を実施しているが、漁場の環境が少しずつ変化していることに気づき、数年前から薬剤を使わない自然に優しいモズクを作っている」と語った。

 島酒家の石黒社長は「沖縄のきれいな海を残したいとの思いで、オーガニックモズクの商品化に取り組んだ。県内外にPRし、販路拡大したい」と期待した。

有機JAS認証を取得した(右から)「もずく有機の会」の石黒新海島酒家社長と嶺井伸也マルミネ産業社長、古謝景春南城市長、親川伸夫イオン琉球常務取締役商品本部長=13日、南城市役所

 「奥武島産有機太もずく」は1パック420グラムで、賞味期限は1年。塩蔵タイプで、太く、コリッとした食感が特徴。南城市の古謝景春市長は「ふるさと納税の返礼品としてポータルサイトに掲載するなど、市としても販路拡大を応援したい」と述べた。

 県内では3月10日からイオン琉球系列の店舗で発売する。本体価格598円。イオン琉球は年間1万パックを販売目標としている。

(金城実倫)