【記者解説】安保への言及が大幅増 玉城デニー知事の県政方針 2期目の深化を強調 沖縄


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県政運営方針を発表する玉城デニー知事=14日午前、県議会

 玉城デニー沖縄県知事が14日に発表した2023年度の県政運営方針は、昨年9月の再選後、初めて編成した予算の概要や、施策の方向性を随所に盛り込み、知事の政治姿勢を色濃く反映したものとなった。玉城知事は「1期目に着手、推進した施策をさらに深化させ、各種施策を展開する」と2期目の県政運営に向けた意気込みを強調した。

 23年度の県政運営方針はロシアによるウクライナ侵攻や東アジアの情勢を受け、例年と比べて「沖縄を取り巻く現状認識」や安全保障に関する内容が大幅に増加したことが特徴だ。

 玉城知事は、安保関連3文書で示された、南西諸島への自衛隊配備強化の方針を巡り、政府から説明がなされないことに対して「熾烈(しれつ)な沖縄戦の記憶と相まって、県民の間に大きな不安を生じさせている」と県民感情を表現した。ただでさえ過重な米軍基地に上乗せする形で、自衛隊の配備が強化することを「基地負担」と捉え、安全保障の応分負担を全国に提起する考えも盛り込んだ。

 反撃能力(敵基地攻撃能力)を備えたスタンド・オフ・ミサイルの先島配備も取りざたされるなど、政府が矢継ぎ早で自衛隊配備強化策を打ち出す中、どのような姿勢で問題解決に当たり、住民への影響軽減策を求めていけるのかが問われることになる。米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古新基地建設に関して、反対を堅持し「ぶれずに県民の先頭に立つ」と強調する。解決に向けて政府との「対話」に向けた道筋をつけられるのかも焦点となる。

 過去最高額の23年度予算は、県政の課題となっていた大型MICE事業の予算化などに加え、23の新規事業を盛り込んでいる。一方、「推進」や「取り組む」などの文言を多用したが、1期目は公約の「達成率」の低さを野党側から追及される場面もたびたびみられた。県政基盤の安定化に向けても、新事業や目玉事業の進ちょくなどについて分かりやすく県民に説明し、可視化することが求められる。2期目で「成熟期」を迎えた玉城県政の手腕が改めて問われている。

(池田哲平)

 

キーワードの使用頻度や重要度などを色や大きさで可視化する「ワードクラウド」を使い、玉城デニー知事の2023年度県政運営方針を分析した図(ベンチャー企業「ユーザーローカル」のツールを使用)