中小企業の景況、5年4カ月ぶりにマイナス脱却 観光客増などで押し上げ 1月・沖縄県中央会


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 県中小企業団体中央会(岸本勇会長)は15日、1月の県内景況動向を発表した。前年同月と比較した企業の景況感を示す業況判断指数(DI)は、全業種で9.1ポイント上昇の0.0となり、2017年9月調査以来5年4カ月ぶりにマイナスを脱した。製造業に弱さが見られるものの、年末から続く観光客の増加や行動制限がない中でイベントや需要喚起策が再開されたことで、全体の景況感を押し上げた。人流回復による需要増といった好材料も見られる一方で、人手不足やエネルギー・原材料価格の高騰などから先行きを不安視する声も依然として多い。

 製造業のDIはマイナス20で前月調査から横ばい。全10業種のうち悪化と不変がそれぞれ4業種で、改善は2業種。観光需要によってめん類製造業やガラス製品製造業は好調だったが、多くの産業ではコスト増が負担となり苦境が続く。

 非製造業は前月のゼロから16.7ポイント上昇した。全12業種中、不変が6業種で最も多く、改善が4業種、悪化が2業種と続いた。観光の好調さが幅広く波及しているが、対面型サービスを中心に人手不足感を訴える声が引き続き多い。自動車卸業と電設資材卸売業は共に取引条件や収益状況が悪化し、景況感も落ち込んだ。
 (小波津智也)