首里城復元へ木材の加工始まる 正殿に1万5000本以上、柱や内装材に 沖縄


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首里城正殿の復元に使われる木材を削る機械の仕上がり具合を確認する関係者=16日午後2時ごろ、那覇市の首里城公園内木材倉庫(喜瀨守昭撮影)

 沖縄県那覇市の首里城公園内木材倉庫で16日、焼失した正殿の復元工事で使用する木材の加工が始まった。首里城正殿の復元では約1万5千本以上の木材が使用される予定で、柱やはりなどの構造材や内部の内装材などについて2024年春までに順次加工を進める。

 16日は、正殿の柱として使用する奈良県産ヒノキの大径材(最小径が30センチ以上の丸太)を加工する様子が報道陣に公開された。加工されたヒノキは県が調達し、今年1月に搬入された。搬入時は八角形となっていたが、十六角形に加工された後、最終的には円形に削られた。

 首里城正殿の復元で使用する木材は昨年10月に搬入が始まった。今年1月からは、切断する位置などを決める「木取り」の作業を進めてきた。

 沖縄総合事務局によると、木取りなどの下準備や機械の調整に時間をかけたことから、搬入から加工開始までに時間を要したという。同局開発建設部の江崎秀明営繕監督官は「大きなマイルストーンだ。次の『建方(主要な構造材の組み立て)』に向け、まずは木材の加工をうまく進めていきたい」と語った。
(武井悠)