「数理教育賞」を沖縄・与那原町の東盛さん受賞 約40年間の優れた実践を評価


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「身に余る光栄だ」と受賞を喜ぶ東盛克己さん=13日、那覇市泉崎の琉球新報社

 約40年間、高校の数学教諭を務めた東盛克己さん(75)=与那原町=はこのほど、数学教育の研究団体「TECUM」の優れた数学教育の実践をしてきた人に贈られる、数理教育藤田宏賞を受賞した。東盛さんは「受験のための数学」が強調され、公式を暗記するなどただ答えを出す数学に問題意識を感じていた。「数学本来の面白さ、奥深さを伝えたい」と、解を導くまでの過程や公式の背景にある理論などを重視してきた。一貫して「数学の本質」を教えてきた姿勢が評価され、受賞につながった。

 受賞に「身に余る光栄だ。身の引き締まる思いがする」と語った。現在は中学校の学習指導員を務める。数学を学ぶことで「問題をそらさないで受け止める力、目の前の事象の本質を見抜く力、体系的にものを見る力が身に付く」と生徒に思いを伝えている。
 (金盛文香)