昨季は自己最多の20登板で10勝を挙げ、飛躍の年となった西武の與座海人(27)=沖縄尚学高―岐阜経済大出。今季も不動の先発ローテーション入りを目指しながら「去年の成績を超えたい」と先発の柱となるべく、変則下手投げのさらなる進化に取り組んでいる。
第1クール4日間のうち3日はブルペンに入って直球だけを投げ込んだ。3日目は80球と精力的に腕を振った。昨季、先発ローテの一角を守る土台となった直球。「軸となる球種で、そこが仕上がってこないと次にいけない」と内外、高低など精度を意識した。
初完封など昨季の力投を支えた要因は「真っすぐの強さ」と振り返る。「強さ、質が良くなり、1軍でも持ち味を出せた。真っすぐあっての変化球だと思う」と重要性を再確認した。
第2クール初日は打撃投手を務め、変化球も確かめながら一球一球を投じた。実戦練習に入ってからは直球と変化球のコンビネーションを本格的に試して準備を進める。
昨季は自信になった一方で、後半は調子が落ちていくことを実感した1年でもあった。9~10月は結果が出せず「悔しさの方が強い」と課題も浮き彫りになった。数少ない下手投げで厳しい勝負に身を置く。「自分のスタイル、スキルをいかに積み上げられるか。技術をどんどん伸ばすことにフォーカスしている。自分のスタイルを突き詰めたい。レベルアップできる余地は十分あると思っている」と挑戦は続く。
今年は同じく県出身の平良海馬が先発に名乗りを上げた。「県民に喜んでもらえるよう平良とローテを回して優勝する。一番それがベストだと思う」と胸を躍らせる。2年連続2桁勝利へ。緩急と高低差を効かせた“幻惑”投球で、強打者たちを仕留める。
(謝花史哲)