癒しの音「琉球かれん」世界に響け 発明20年、県内外で演奏の輪


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イベント会場で「琉球かれん」の音色を奏で、魅力を発信する開発者の米須清二郎さん(後列左)と講師陣、会場で演奏を鑑賞した幸地わかえ議員(前列右)ら=11月23日、沖縄県立武道館アリーナ棟(提供)

 沖縄生まれの癒やしの和音弦楽器「琉球かれん」が発明から20年を迎えた。県内外の約30カ所でサークルや教室が展開され、子どもから高齢者まで年齢を問わず、演奏を楽しんでいる。聞く人にも、奏でる人にも癒やし効果を与え、広がりを見せている。

 琉球かれんは、2003年に米須清二郎さん(64)によって発明された。メロディーを奏でる1本の三線弦と3本1組の四つの金属弦の合計13本の弦で構成される弦楽器だ。3本1組の弦で4種のコード(和音)を奏でる。開発から約10年の歳月をかけて完成させ、2010年には特許を取得した。19年には、にっぽんの宝ものJAPANグランプリの新体験部門で敢闘賞を受賞した。

 開発当初、米須さんは障がい者施設で音楽療法やリトミックなどを取り入れて当事者に向き合っていた。障がいがある人が簡単にメロディーを奏でられないかとひらめき、開発を始めた。何度も挫折を繰り返し、和音を奏でるまで10年かかったと振り返る。「『琉球かれん』はあらかじめ和音が構成されているのが特徴。子どもから大人まで使え社会に役立ち、貢献できる楽器にと考えている。喜びや希望、楽しさを与えられ人類を癒やせる楽器であれば幸いだ」と思いを語った。

 琉球かれんの魅力を発信している幸地わかえさん(48)=那覇市=は「沖縄生まれの楽器が世界に広がってほしい」と話した。

 「琉球かれん」に関する問い合わせはヒューマンサウンド、電話090(7585)2868。(中川廣江通信員)