リンゴの木と少年の話、読む年代で変わる味わい 「おおきな木」シェル・シルヴァスタイン作 村上春樹訳<司書の推し本>


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
「読み手の年代によっても捉え方が変わる本だ」と語る泉川みのりさん

[推しポイント]読む年代で変わる味わい

 絵本ですが奥が深く、読む年代によって捉え方や感じ方が変わります。学生の時と、大人になって読んだ時の感想の変化を味わってほしい作品です。

この絵本は、本田錦一郎訳と村上春樹訳の2冊があり、両方を読み比べるのも楽しいです。中学生には、英語版の翻訳にもぜひ挑戦してもらいたいです。
 (泉川みのり・西原町立西原東中学校)

 

[あらすじ]リンゴの木と少年の話

 昔、少年と仲の良いリンゴの木があった。木は少年が大好きで、少年も木が大好き。少年は木登りをしたり、かくれんぼをしたりして遊んでいた。月日は流れ、成長した少年は、木から遠ざかっていく。  ある日青年になった少年が「物を買いたい。お金が必要だ」と木を訪ねる。すると木は、自分に実ったありったけのリンゴを売り、お金にするように提案する。その後も、少年は困った時には木を訪ねて…。


 若者の活字離れ、読書離れが指摘されて久しい。学校からは「図書館離れ」に嘆く司書の声が聞こえる。読書活動推進を目的に、新企画「司書の推し本」では、子どもたちに読んでもらいたい「推し本」を、学校図書館の司書に紹介してもらう。