「多頭飼育崩壊」飼い主への生活支援必要性訴え 愛護団体「猫の日」アンケート


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(イメージ写真)

 飼い猫が増えすぎて、世話がままならなくなる「多頭飼育崩壊」。事案が発生した際、動物愛護関係団体が現場に赴く場合がある。猫の保護やケア、管理に関するノウハウが不足する行政を支えるように奔走する。琉球新報が実施したアンケートでは「琉球わんにゃんゆいまーる」(畑井モト子代表理事)と「おきにゃあわんネットワーク」(宮城直子代表)の2団体が、多頭飼育に陥った世帯へ支援に入ったと答えた。

 わんにゃんゆいまーるが支援したのは2017年~22年までに13件。飼育数は少ないところで12匹、最大53匹いた。引き取った猫は新たな飼い主を探し譲渡したほか、自分の団体で保護継続、他団体に委託するなどした。畑井代表は「適切に飼育しなさいという指導だけでは根本的な解決はできない」と指摘する。その上で「飼い主の困窮や孤立が問題となったら生活の支援が必要。ケースワーカー、地域包括支援センターなどの協力なしでは対応できない」と多機関の連携を望んだ。

 おきにゃあわんネットワークは過去に複数回、多頭飼育崩壊に陥った世帯を支援。宮城代表は予防の大切さを強調し、飼い主に対しては不妊去勢手術を施すよう求め、「完全室内飼育」を呼びかけた。市町村と連携し、野外の猫が不妊去勢手術を受ける際の病院搬送などを担ってきた「よなばるネコの会」は、「猫の繁殖について認識がない」と飼い主の課題を指摘する。「行政は啓発に力を入れるべきだ」と要望した。
 (高江洲洋子)