世界的フラワーアーティストが琉球ガラスをデザイン、現代の名工が製作 シンガポールのイベントで披露へ


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ハリアント・セティワン氏がデザインし、末吉清一氏が製作した琉球ガラスの花器=22日、糸満市の琉球ガラス村
末吉清一氏(左)が製作した琉球ガラスの花器を手にするフラワーアーティストのハリアント・セティワン氏=22日、糸満市の琉球ガラス村

 シャネルやエルメスなどの有名ファッションブランドや、アジアの高級ホテルなどを顧客に持つシンガポールの世界的フラワーアーティスト、ハリアント・セティワン氏が作品の花器に琉球ガラスを使用する。シンガポールで琉球ガラスはほとんど知られておらず、琉球ガラス村(糸満市)は「世界的アーティストとのコラボで琉球ガラスが世界へ発信され、新たな架け橋になればいい」と期待する。

 花器はハリアント氏がデザインし、琉球ガラス村の職人で現代の名工の末吉清一氏が製作した。ハリアント氏の作品集の出版を記念し、3月にシンガポール高島屋で開かれるデモンストレーションイベントで披露する。22日に糸満市の琉球ガラス村を訪れ、製作の様子を確認したハリアント氏は「夢がかなってうれしい。素晴らしい職人と出会えた。今後もコラボしていきたい」と喜んだ。

 琉球ガラス村が5年前に、シンガポール高島屋のイベントに参加したことがきっかけとなった。ハリアント氏は「色のバリエーションが豊かで、発色も美しく、いろんな可能性がある。花を美しく見せる美しい器だ」と琉球ガラスの魅力を語る。

 末吉氏に依頼したのは5種類の花器。末吉氏は「斬新なデザインにワクワクした。(新型コロナの影響で)この3年間、工芸産業は元気がなかった。いいタイミングで海外に発信できるチャンスをいただいた。若い職人たちにも刺激になる」と喜んだ。

 琉球ガラス村の川上英宏営業本部長は「琉球ガラスは世界の技術とコラボして発展してきた歴史を持つ。ものづくりとデザインが交流することで職人にも新たな発想が生まれ、技術の発展、継承にもつながっていく」と今後の展開に期待した。
(玉城江梨子)