PFAS、医師ら「血中濃度検査体制」の必要性を指摘 市民団体が意見交換


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 人体に有害とされる有機フッ素化合物(PFAS)が米軍基地周辺から高い値で検出されていることに関して、市民団体「有機フッ素化合物(PFAS)汚染から市民の生命を守る連絡会」は23日、那覇市古島の教育福祉会館で医療関係者らと意見交換した。医師らからは、健診でPFAS血中濃度を検査できる仕組みを求める声が上がった。

 連絡会は2022年、6市町村7地域でPFAS血中濃度検査を独自に実施。共同代表で沖縄大名誉教授の桜井国俊さんがPFOS、PFOA、PFHxSのほか、PFAS3種を新たに加えた分析結果を報告した。

 桜井さんによると、米国の3学術団体が22年7月に連名で示したガイダンスでは、健康対策を要する目安値は血液1ミリリットル当たりPFAS7種の合算で20ナノグラム以上としているという。

 この目安値を基に改めて分析したところ、連絡会の検査を受けた387人のうち54・0%に当たる209人が目安値を超過していた。

 意見交換では、検査体制の構築のほか、調査地域の拡大、血中濃度と疾患との関連の調査・研究などの必要性も指摘された。
 (安里周悟)