【読谷】大規模災害時の観光客らの避難誘導を想定した県総合防災訓練がこのほど、読谷村の残波岬周辺で実施された。関係者ら約90人が参加した。大津波が迫る想定の中、大声で避難を呼びかけた。
県と読谷村、村観光協会、嘉手納署、ニライ消防読谷署などが参加。観光客らの避難をテーマとした県の実働訓練は初めてだった。
村の防災無線から地震発生が放送されると、5分後に大津波警報が出た。参加者は高い土地や建物への避難を呼びかけ、車いすの避難者を手助けするなど、迅速に避難した。
講評した観光危機管理研究所の鎌田耕代表理事は来県した観光客の特徴を「土地勘や地域とのつながりがなく、慣習が異なる場合も珍しくない」と指摘し、伝わりやすいジェスチャーなどが避難誘導の有効な手段とした。その上で「訓練することで『観光客が安心して泊まることができる』という沖縄ブランドの創造にもつながる」と語った。