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小中学校でいじめを受けた野原直子さん(30)=那覇市=がこのほど、体験や思いをつづった本「イジメについて申す 未来へ」(デザインエッグ社)をネットで出版した。
野原さんによると、小5の時に交換日記で悪口を書かれたり、トイレに閉じ込められたりするいじめに遭った。当時の担任は、教室に入れなくなった野原さんに「教室に入りなさい」と言ってビンタをしたという。
中2の時は、修学旅行前の総合学習の時間に、無理やり制服を脱がされた。担任は同じ教室内にいたものの、見ているだけだったと記憶している。その後、いじめ加害者と話し合いの場が設けられたが、加害者は「遊びたかっただけ」と主張。担任は「あなた(野原さん)のせいで無駄な時間を割いた」として、加害者に謝罪させられたという。
野原さんは「許す」という考え方で記憶に向き合っているが、当時の担任に関しては「許したいが、まだ許せないでいる」と複雑な思いを抱えている。
高校入試は筆記試験の成績は良かったものの、いじめ被害による欠課が響き不合格に。通信制の高校に進学したが「欠課の数が合否を左右する沖縄の制度は良くない」と感じた。
いじめをきっかけに心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症。精神科への入退院を繰り返したが、現在はアルバイトもしながら前向きに暮らしている。
本には「人生全てが学校ではありません」と、いじめに悩む人に宛てたメッセージを記した。野原さんは「無理に『今しなきゃ』『学校に行かなければ』と、考えなくてもいいと伝えたい」と語った。
(稲福政俊)